2024.04.03

塗装の魅力と女子力特集①

建設業界では働き方改革の一環として、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用されます。

建設業界はいわゆる「3K」の典型というイメージから、60代や40代に比べて20代の人材が極めて少ない状況に陥っています。

さらに間近に迫る団塊世代の大量退職を考えれば、長年の課題であった「長時間労働の是正」「給与・社会保険」「生産性向上」の3項目について積極的に取り組んでいかねばならない時期に来ています。

国土交通省が作成した「建設業働き方改革加速化プログラム」には「週休2日制の後押し」「適正な工期設定の推進」「技能や経験にふさわしい処遇」「社会保険の加入」「生産性向上のための各種取組み」などを、

2024年までに建設業者が取り組むべき事項として明示しています。

そのような中で、今回は最近目にする機会が増えた「現場女子」「塗装女子」に着目し、ひと昔前までは互いに背を向け合っていた建設業界と女性労働力の可能性、

また特に女性にとっての「塗装の魅力」という点についても考えてみました。

 

色々な「 K 」— マイナスの「K」をプラスの「K」へ

いつの頃からか「3K」という言葉が使われ始めました。

バブル期の「結婚相手の3K」から「老後不安3K」など、時代によって様々な「3K」が登場しました。

近年では職場環境の改善、安全意識の向上などで大きな変化も見られますが、いまだに建設業界は「3K」の典型のように言われます。

この場合の「3K」は「きつい」「汚い」「危険」の3つを指します。

塗装ですとさらに「臭い」が加わって「4K」などという表現もあります。最近では「帰れない」「厳しい」「給料安い」という「新3K」も登場しており、「3K」+「新3K」=「6K」などと言われることもあるようです。

これではいけないということで2015年 国交省と経団連が改善のポイントとして挙げた「3K]が「給料」「休日」「希望」ですが、これとは別に「カッコイイ」「稼げる」「けっこうモテる」という「新3K」に挑戦している企業もあるようです。

いずれにせよ更なる改善に踏み出すことが必要だということは、多くの経営者にはわかっていることなのですが、会社規模、業務形態などにより対応が難しいのが問題です。

しかし、人材不足解消のためには、業界イメージ・企業イメージをマイナスからプラスへ変えねばならない時に来ています。

 

女性力の可能性 — 現場女子・塗装女子は大きな戦力

よく恋愛においては「男性は『名前を付けて保存』、女性は『上書き保存』」 などと言われ、何かと引きずりがちな男性に比べて、女性は圧倒的強者です。

結婚・出産といった場合は、文字通り人生をリセットするのですから、実は驚異的ですらあります。

そして働ける条件が整った時には、未経験の分野で職探しをする女性がたくさんいます。

そんな「働くことを選択する女性」は、建設業界でも重要な戦力となる可能性は高いはずです。

一般的に女性は力仕事や高所作業に対する適性に欠けると言われますが、個人差があり、この点は男性でも同様です。

しかし多くの現場は男性仕様ですので、着替えやトイレなどについては当然注意が必要です。

2016年のアンケートによれば、建設業で働く女性が必要だと感じていることは「男女平等の昇給チャンス(53.3%)」「現場での女性用トイレの設置(52.0%)」「妊娠・育児中のフォローアップ(43.4%)」

(「ミドリ安全調べ」) となっており、雇用の際に考えておきたいポイントとなります。        

長所としては、一般論ですが「女性はきめ細かな作業をする」と言われますし、積算調査の現場にいくと圧倒的に女性メンバーが多いことからも類推できるように集中力・持続力が必要とされる作業に力を発揮します。

加えて同性である女性顧客や、塗替え工事で在宅中の高齢者、子供に安心感をあたえる効果も期待できます。

また粘り強く勉強して資格をとるといったことが得意な人も多く、大きな戦力になることは間違いありません。

最近では塗替えの際、外壁に「ワンポイント壁画」を希望する発注者もおり、絵心のある女性であれば他との差別化にも大きく貢献します。

 

女性にとっての塗装業の魅力とは? 塗装業のやりがい「3K」とは?

働く側、働いてもらう側にとって一番いいのは「仕事に魅力を感じてもらい、楽しく無理なく取り組めること」です。

まず「仕事に魅力を感じてもらう」ことから考えてみます。言うまでもなく塗装は「塗料で仕上げを行うこと」です。これにはほとんどの場合、「色彩」という要素が関係してきます。

女性にはこの「色彩」への興味がポイントになります。実際「色を操る」仕事、例えばカラーコーディネーター、インテリアコーディネーターなどの資格・職種では女性の活躍が目立ちます。

この点では魅力を感じてもらえる可能性があります。

他に挙げられるのは、工事を終えた時に得られる「施主様からの感謝」、塗替えによって建物の長寿命化をはかる、つまり「社会資本への貢献」、経験を重ねて得る事が出来る、

平たく言えば“手に職”ということになりますが「技術職としての自分の価値向上」ではないでしょうか?

もうお気づきかと思いますが、これらの3K(感謝・貢献・価値)は充分魅力的であり、塗装業がやりがいのある仕事と感じてもらえる筈です。

さらに現場で働くことによって「お金をもらって体を動かす」という、収入を得ながら結果として健康的なダイエット効果が見込めるのはとんでもない魅力になる筈です。