下地補 修の 便利グッズ ②旧塗膜の肌合わせ・さび面の塗装処理・木部の欠損
シーラー、中塗り、上塗りという塗装工程に入る前に、やっておかなければならないのが「補修」や「下地処理」です。
コンクリート面やモルタル面のひび割れ補修、現状塗膜の肌合わせ、鉄面のさび処理や木部の欠け、凹みなど、それぞれ手がかかりますが、中途半端にすると仕上がりに影響してしまいます。
今回はそんな時、ぜひ思い出して頂きたい商品をピックアップしました。
■旧塗膜の肌合わせ
⇨ 肌合わせの救世主は「魔法」みたいな「ローラー」‼
躯体までは影響が及んでいないものの結構やっかいなのが「旧塗膜の肌合わせ」という作業です。
まれに集合住宅の共用廊下上裏などで旧塗膜のリシンがそこそこ浮いており、塗替えの際に肌合わせが必要なケースを目にします。
このような「肌合わせ」はごく小面積なら大抵上手くごまかせますし、大面積ならあきらめて再度吹付けを選択するしかないのですが、中途半端な面積の場合、またそのような状況が散見されるような場合は悩みどころです。
わざわざコンプレッサーとリシンガンを持ち込み、養生をするのもどうかと考えてしまいますし、そもそも吹付け工法そのものを避けている改修現場ではお手上げです。
今まででしたら模様が似ている高意匠塗材用の「パターンローラー」を使ってある程度の差異には目をつぶるか、精和産業の「タッチアップガン」を使ってパターン付けをしていたのですが、「これが決め手!」というような方法はありませんでした。
そんな中、株式会社ヤグチ技工が開発したのが「魔法ローラー」シリーズです。
ヤグチ技工といえば今までもその独特な発想と技術力で「TNC工法」「クローンタイル」「ハーガスNeo」などの差別化商材を世に出してきたユニークな企業です。
そのヤグチ技工の「魔法ローラー」とは一言で言えばパターンローラーなのですが、実はありそうで無かった「外装塗料のテクスチャーに特化したパターンローラー」なのです。
「外装用塗料」と聞いて何が思い浮かぶかといえば、まず「吹付けタイル」「リシン」「スタッコ」ではないでしょうか?
特に「吹付タイル」「リシン」は外壁が磁器タイル仕上げであっても上裏や外部階段壁面などで使われている定番のパターンです。
にもかかわらず専用のパターンローラーは存在していなかったのです。
ヤグチ技工の「魔法ローラー」にはまさにこの汎用性の高いパターン「吹付タイル模様」「吹付タイルヘッドカット模様」「リシン模様」の3種類があり、マニュアルに従って施工することで再現性の高い仕上がりを提供します。
今後、残る「スタッコ模様」とともに各模様に「密集吹きタイプ」や「パラ吹きタイプ」も加える予定になっており、ますます充実が期待される商品となっています。
■さび面の塗装処理
⇨「錆び面に水?普通ダメでしょ」⇨「え、普通じゃないからOK?…」
鉄部塗装における残存さびの厄介さについては皆様よくご存じのことと思います。
さびを取りきれなかった場所に再度さびが出て困ったという経験は多いのではないでしょうか。
ぜひ一度、関西ペイント株式会社「腐食電流抑制型素地調整軽減さび面用塗料 ルビゴール」をお試しください。
まず「こぶさび」「浮きさび」は皮スキとマジックロンを用いて除去し「ルビゴール」を塗付しますが、この時に何と(!)さび面に水を掛けて無希釈で塗ることで、先行塗りの希釈率を満たして塗装することになります。
本来「水分」はタブーとされるさび面に「水を掛けて」かつ「水性さび止めを塗付する」のは驚きの行為なのですが、水を掛けることで塩分やさびカスが流れて塗付面が清浄になるという効果が見込め、取り分けて使い残した分はそのまま戻せますから(無希釈なので…)無駄になりません。
前述の通り「ルビゴール」自体は水性ですが、上塗りに弱溶剤や強溶剤の塗り重ねも可能です。
ルビゴールドURL→https://www.kansai.co.jp/rubigoal/.co.jp
■木部の欠損
⇨パテ埋めで苦労していた欠損部がこんなにたやすくキレイに!
木部の下地補修には様々な方法があります。
小さな穴なら木工ボンドと爪楊枝で直したり、小規模な凹みなどはアイロンと水分を含ませたあて布で修復することもできますが、大きなひび割れや欠損についてはパテ補修が基本になります。
しかしこのパテ補修の際、いつも問題になるのが「ヤセ」です。
また厚く充填すればするほど乾燥までの時間が長くなるという点もネックでした。
ここでご紹介する「ドライフレックス」は無溶剤の柔軟形エポキシの補修材で、硬化後は適度な硬度を保ちながらも併せ持つ弾性力で動きのある素地に追随します。
また、厚付け充填ができ、液ダレがなく面(ツラ)やピン角(かど)もヘラ1本で成形できます。
施工体験では材料のヘラ切れもよく、作業性は良好という評価でした。
加えてパテ類につきものの「ヤセ」が見られないので欠損箇所の成形などにはもってこいの材料です。
「エポキシ」というと乾燥時間が気になる所ですが、ラインナップに乾燥時間1時間・4時間・16時間の各タイプがあり、季節や状況によって選択することが出来ます。ただ無溶剤エポキシの特性上、各商品の推奨使用気温には十分ご注意下さい。