2024.04.16

知っておくことでトラブル回避!床材特集

工場や駐車場、土間など様々な場所に使われている「塗床材」ですが、その特徴や使用用途は多岐に渡ります。

床面は人や重量物が通行するため、最もシビアな環境に使用される塗料とも言えます。

そのため塗床材の性能を発揮させるには正しい現状判別、それに適した下地処理や材料選定、そして正しい施工方法が不可欠であり、

少し前まで「塗床は難しい」カテゴリーでした。

しかし近年、材料の進化はめざましいものがあります。

今回は代表的な不具合事例も取りあげながら、各メーカーの「進化した床塗料」をご紹介します。

 

正しく下地を判別するために

様々な機能性を発揮する塗床材ですが、下地処理や下地、塗料の判別を誤ってしまうと不具合の発生へとつながります。

下写真は強化コンクリートへ塗装したものの、下地処理不足またはプライマーの選定ミスにより塗膜剥離を起こしてしまっているものです。

強化コンクリートは高強度で、表面が緻密なコンクリートです。

そのため、塗料を吸い込みにくく、付着性が悪いため剥離する可能性があります。

下地処理方法としては研削機(ライナックス等)やブラストなどで表面を研磨し粗面にしてから適切なプライマーを塗布する必要があります。

後ほどご紹介する「ユカクリート水系マルチプライマー」「フロアトップアクアプライマーハエレオ」は強化コンクリートにも対応可能です。

●既存塗膜の判別は?

塗替えの場合、何が塗ってあるのかわからない場合がほとんどだと思います。

そんな場合は、ラッカーシンナーを滴下し、ウエスで表層を拭く「ラヴィング試験」での判別が一般的です。

大まかな判別は表をご参照ください。

 

塗替対象の塗膜に耐溶剤性があるかを確認し、適した材料の選定に入ることが大切です。

さらに「ユータックRマイルド」や「フロアトップアクアフォルティス」のようにほとんどの旧塗膜に対応可能な上塗り材を採用することで、トラブル回避につながります。

他にも既存塗膜が油面の場合、Pタイルなどんお貼物を剥がした後の施工、低温の床面への施工など注意が必要なケースが多くあります。

また、MMAや圧幕の硬質ウレタンなど施工が難しい床材などは、専門施工店に材工で請け負ってもらった方が安心です。

 

■やはり肝心!下塗り材

壁や屋根でもそうですが、床においても下塗り材選択は重要です。

ひと昔前までは下地状況、基材がより対応下塗材を使い分ける必要がありましたが、近年では幅広い下地、基材に対応可能な下塗り材が登場しています。

代表的な商品を下表にまとめてみました。

 

 

 

■下塗り同様に進化する上塗り材

プライマー・シーラー同様、上塗り材も様々な機能を兼ね備え、省工程で施工可能なものが登場しています。

そこで各メーカーのラインナップの中からイチ押しの上塗り材をご紹介します。

 

「床ひらり」大同塗料㈱

水性なのに厚膜仕上げが可能で、無溶剤エポキシ塗床材以上の耐衝撃性を兼ね備え、2工程で仕上がる水性厚膜型エポキシ樹脂系塗床材です。

耐衝撃性に加え良好な付着性といったエポキシ樹脂の特徴を兼ね備え、水性なので旧塗膜(アクリル・エポキシ・薄膜ウレタンなど)を残したまま塗装可能です。

施工はコテを使用しなければなりませんが、食品工場など、臭気を嫌い耐衝撃性が求められる箇所への施工に最適です。

 

「フロアトップアクアフォルティス」アトミクス㈱ 

 フロアトップアクア フォルティス 13.5kg缶セット | 業務用塗料・塗料用品の専門サイト ペイントワン (paint-one.jp)

水性薄膜にもかかわらず耐久性が高く、既存塗膜への付着性が良好な床材です。

水性薄膜ながらフォークリフトなどにも耐えうる()耐久力があります。

幅広い既存塗膜に対応しており、かつ、付着性に優れているので、プライマーレスで塗装可能であり、使い勝手は抜群です。

駐車場や駐輪場などへの何を塗ってるかわからない時に最適な製品です。

 

「水系ボウジンテックアルファクリヤー」水谷ペイント㈱

一部の施主さんより「コンクリートの質感を生かした仕上げにしたい!」という要望をいただくことがあります。

そんな時に役に立つのがこの商品です。

コンクリート面やモルタル面の質感を変えない仕上がり可能な点が特徴で、艶有の他に艶消しタイプを用意しており、現状や要望に沿って選択することができます。

更に水性塗床材ですので、臭気を嫌う店舗床やOAフロアの防塵などにおすすめすることも可能です。

 

「ユータックRマイルド」日本特殊塗料㈱

汎用性の高いウレタン樹脂系床材が弱溶剤になり、さらに使いやすくなっています。

弾性塗膜以外のほとんどの既存塗膜に対応可能で、しかもプライマーレスで施工が可能です。

ウレタン樹脂のため内部、外部問わず使用が可能といった使い勝手の良さだけでなく、薄膜仕上げなのでローラー施工が基本となり、

個々の技術を求めない施工のしやすさも魅力の一つです。