2024.10.22

用途別に選ぶ業務用塗料!種類とその特徴を徹底解説!!

業務用塗料の選定で失敗しないためには、塗料の特性を理解することが何より重要です。この記事では、水性塗料や油性塗料、ラッカー塗料など、代表的な業務用塗料の種類とその特徴を詳しく解説します。また、塗装する素材や環境に適した塗料の選び方、塗装時の注意点などの業務用塗料に関する基本的な知識を網羅しています。

業務用塗料の種類と特徴

業務用塗料は、一般の塗料とは異なる特徴を持っています。ここでは、業務用塗料の種類とその特徴について詳しく解説します。

業務用塗料とは

業務用塗料とは、主に建築物や工業製品の塗装に用いられる塗料のことを指します。一般家庭で使用される塗料とは異なり、耐久性や耐候性、作業性などが重視されています。

業務用塗料は、その用途や素材に応じて様々な種類があります。以下では、代表的な業務用塗料の特徴と用途を見ていきましょう。

水性塗料の特徴と用途

水性塗料は、水を溶剤とした塗料です。揮発性有機化合物)の含有量が少なく、環境負荷が低いことが特徴です。また、乾燥が速く、作業性にも優れています。

水性塗料は主に、建築物の内装や木工品の塗装に用いられます。低臭気であるため、居住空間での使用にも適しています。

油性塗料の特徴と用途

油性塗料は、有機溶剤を使用した塗料です。耐水性や耐薬品性に優れ、硬度の高い塗膜を形成します。また、艶やかな仕上がりが得られるのも特徴の一つです。

油性塗料は、鉄部や木部の保護塗装、機械設備の塗装などに広く用いられています。高い耐久性が求められる屋外の構造物にも適しています。

ラッカー塗料の特徴と用途

ラッカー塗料は、セルロース系樹脂を主成分とした速乾性の塗料です。乾燥が非常に速く、短時間で塗装が完了するため、生産性の向上が期待できます。

ラッカー塗料は、木工品や金属製品の塗装によく使用されます。透明感のある美しい仕上がりが得られるため、装飾性の高い製品に適しています。

アクリル塗料の特徴と用途

アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とした合成樹脂塗料です。優れた耐候性と柔軟性を持ち、外壁などの建築物の塗装に適しています。また、多彩な色調が得られるのも特徴の一つです。

アクリル塗料は、コンクリートやモルタル、サイディングボードなどの外装材の保護と美観の向上に用いられます。耐久性が高く、長期間美しさを維持できます。

エポキシ塗料の特徴と用途

エポキシ塗料は、エポキシ樹脂を主成分とした二液性の塗料です。卓越した耐薬品性と機械的強度を持ち、過酷な環境下でも優れた保護性能を発揮します。

エポキシ塗料は、工場の床面や水槽、タンクなどの塗装に使用されます。コンクリートの防塵や防水、金属の防錆などにも効果的です。

業務用塗料の選び方

業務用塗料を選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。塗装する素材、環境、仕上がりの質感、コストパフォーマンス、安全性と環境への配慮などを総合的に検討し、最適な塗料を選択することが大切です。

塗装する素材に適した塗料の選択

塗装する素材によって、適した塗料の種類が異なります。木材、金属、コンクリートなど、それぞれの素材に適した塗料を選ぶことが重要です。

例えば、木材用の塗料は、木材の呼吸を妨げずに保護する必要があるため、透湿性の高い塗料が適しています。一方、金属用の塗料は、錆の防止と密着性が重要であるため、防錆性と密着性の高い塗料が適しています。

塗装環境に適した塗料の選択

塗装環境も塗料選択の重要な要因です。屋内か屋外か、気温や湿度、日光の当たり具合などを考慮する必要があります。

屋外で使用する塗料は、耐候性、耐水性、耐UV性に優れた塗料を選ぶべきです。一方、屋内用の塗料は、低臭、低揮発性有機化合物の塗料が適しています。また、高温多湿の環境では、耐熱性、耐湿性の高い塗料を選ぶ必要があります。

仕上がりの質感や色の考慮

塗料の選択には、仕上がりの質感や色も重要な要素です。つや有り、つや消し、半つやなど、目的に合わせて適切な質感を選びます。

また、色の選択も大切です。塗料の色は、建物や製品のデザインや用途に合わせて慎重に選ぶ必要があります。一般的に、明るい色は空間を広く見せ、暗い色は空間を引き締めて見せる効果があります。

コストパフォーマンスの検討

業務用塗料の選択には、コストパフォーマンスも重要な要素です。塗料の価格、塗装面積、塗装回数、耐久性などを総合的に考慮し、最適な塗料を選ぶ必要があります。

一般的に、高品質の塗料は初期コストが高くても、耐久性が高く、塗装回数が少なくて済むため、長期的にはコストパフォーマンスが良い場合があります。一方、低価格の塗料は初期コストが安くても、頻繁に塗り替える必要があるため、長期的にはコストがかかる可能性があります。

安全性と環境への配慮

塗料の安全性と環境への配慮も重要な選択基準です。塗装作業者の健康と安全、周辺環境への影響を最小限に抑える必要があります。

低揮発性有機化合物、無鉛、無水銀などの環境に優しい塗料を選ぶことが望ましいでしょう。また、塗装作業時には適切な換気と保護具の使用が不可欠です。塗料メーカーが提供する安全データシート(SDS)を確認し、適切な取り扱いと保管を行うことが大切です。

業務用塗料の使用上の注意点

業務用塗料は、一般家庭用の塗料とは異なり、より高い耐久性と品質が求められます。しかし、その性能を最大限に発揮するためには、適切な使用方法と注意点を理解することが不可欠です。

ここでは、業務用塗料を使用する際の重要なポイントについて詳しく解説していきます。

適切な下地処理の重要性

塗装の仕上がりや耐久性を左右する最も重要な要素の一つが、下地処理です。塗装面の汚れ、油分、ほこりなどを完全に除去し、平滑で均一な面を作ることが大切です。

下地の状態によっては、サンドペーパーでの研磨や、下地調整剤の使用が必要となる場合もあります。適切な下地処理を怠ると、塗膜の密着不良や早期劣化につながりかねません。

塗装前の混合と攪拌のコツ

業務用塗料の多くは、主剤と硬化剤を混合して使用します。混合比率を正確に守ることが重要で、計量カップやはかりを用いて慎重に行います。

また、混合後は十分に攪拌し、色や粘度を均一にする必要があります。攪拌不足だと、塗膜にムラや段差ができる原因となります。電動撹拌機を使うのが効率的ですが、泡立たないように注意が必要です。

塗装方法と塗布量の管理

業務用塗料の塗装方法は、刷毛、ローラー、スプレーガンなど様々です。塗料の種類や塗装面の広さに応じて、適切な道具を選択しましょう。

また、塗布量も重要なポイントです。塗料ごとに推奨される塗布量があり、これを守ることで、期待通りの塗膜性能が発揮されます。

乾燥時間と塗り重ね間隔の確保

業務用塗料は一般に乾燥時間が長く、指触乾燥までに数時間、完全硬化までに数日を要することが少なくありません。乾燥不十分のまま次の工程に進むと、塗膜の性能が大きく損なわれます。

また、複数回の塗り重ねが必要な場合は、各回の塗装の間に適切な時間をおくことが大切です。塗料の仕様書に記載された推奨間隔を参考に、スケジュールを組むようにしましょう。

安全対策と保護具の着用

業務用塗料の中には、有機溶剤を含むものが多くあります。塗装作業中は、十分な換気を行い、必要に応じて防毒マスクを着用するなどの安全対策が欠かせません。

また、塗料の飛散による皮膚や眼へのダメージを防ぐため、保護メガネ、手袋、作業着などの保護具を適切に使用することを忘れてはいけません。自身の健康を守るためにも、怠りなく対策を講じましょう。

まとめ

業務用塗料は、用途や素材に合わせて様々な種類があります。水性塗料は環境負荷が低く、油性塗料は耐久性に優れ、ラッカー塗料は速乾性、アクリル塗料は耐候性、エポキシ塗料は耐薬品性が特徴です。

塗料選びでは、素材や環境、仕上がりの質感、コストパフォーマンス、安全性などを総合的に考慮することが大切です。また、適切な下地処理や塗装方法、乾燥時間の確保などの注意点にも留意しましょう。

定期的な清掃やメンテナンスを行い、塗膜の劣化や損傷をチェックすることで、建物の長寿命化につなげることができます。また近年は環境配慮型塗料の開発も進み、水性塗料や粉体塗料、ナノテクノロジーを活用した高機能塗料などが注目されています。

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